最近の真空管事情

現在、真空管を製造している国はアメリカ、ロシア、チェコ、中国、そして日本です。

アメリカではWE300B、日本でも高槻製の300Bが有名です。
ロシア、チェコ、中国は人気多極管の製造もしています。

確か、1990年代の初頭に、アメリカがベル研究所でWE関係の真空管の製造を
止めた後、アメリカがロシアの財団に資金をいれスベトラーナという会社で
アメリカなどで需要のあった6550やEL34といったオーディオ管や無線関係
テレビなどのブラウン管(これも真空管)、テレビやラジオの大型空冷送信管などの
製造をしていたと思います。

いまは、そんなロシアで製造している真空管も入手は遅れているみたいですね。
私的には製造はしてもタングソルやムラード、ゴールドライオンのパテントまで
取って製造できるかは微妙だと思います。
なので、スベトラーナやソブテックなどのロシア製ブランドの球は入ってくると思いますが、
現在の世界情勢をみるとメーカーがパテントを許可するかどうか・・。微妙ですよね。

ゴールドライオンのKT88の復刻も入荷していないようですし・・。
待ち遠しいですけれど、仕方ないですよね。

ロシア製の真空管は作りもガラスも良いです。
30年前2A3やVT52のアンプを製作したとき、秋葉原で5U4Gを買いましたが、
それらはロシア製でした。
スプリングできちんと吊り上げ膨張収縮にも配慮しガラスもチェコ製で優れた球でした。
いまでもネットで5U3Cという型番で見かけますが、ものすごく丁寧で良い球です。
30年前は1000円程度でしたが、いまは4~5千円しているでしょうかね。
ま、それでもクゥオリティーからしたらかなり安いですが・・。
いまでも、ロシア国内で製造している真空管かどうかは不明です。

もともと市場の少ない型番の球類は、これからどんどん無くなっていく運命です。
300BやKT88、EL34と言った球は製造を続けても、VT52やVT25とか言った
銘球も再生産はしないと思いますからね。
もちろん、RE604だのLK460だの作られない球は物凄くあると思います。
需要次第ですから・・。

ご自身のアンプのための補修用でしたら2ペアくらいストックされると良いでしょうね。
EL34のシングルアンプなら4本くらいは持っていたいということです。

日本の大手メーカーに復活して欲しいですよねー。
無理かなぁ~。