去年の暮れから、製作を受けていたKT66のアンプの
納品が終わりました。 最近は中国製のKT66も出回って
いますが、やはり本家本元の球はスタイル一つとっても
素晴らしいですよね。
KT66は、昔から超ハイエンドマニアも認める銘球です。
クゥオードがKT88を使わず、KT66を使用したということは
イギリス人が好むサウンドはKT66だったのでしょう。
日本でも、アメリカンサウンドを好まれる方はKT88や6550へ、
ヨーロッパサウンドを好まれる方はKT66やEL37などへ流れる
のでしょうね。
マランツはEL34にすべての思い、人生をかけました。EL34は
ヨーロッパ生まれの球です。そういう意味ではKT66と通ずる音や
何かがあるのでしょうね。
脱線しましたが、今回のKT66シングルアンプは、異例の製作を
しました。それは、シャーシーの穴あけなどすべて手作業で自分が
行いました。懐かしいですよね(笑) 図面書いて業者に渡せば、
一番面倒な加工がすべてやってくれるわけですから、しかも綺麗です。
では、なぜ今回はすべて自分で穴あけからしたかということ・・・。
それは、このアンプを所有されるかたへ、精魂つめたアンプを納品した
かったからです。シャーシーパンチ、ハンドニブラー、電気ドリル、ハンド
ドリル、鑢などなど・・・。夜中でもガリガリ穴あけしてました。
なんだか、学生時代に無線機やアンプなどを作ったことを思い出しました。
秋葉原に通って、それはそれは昔の秋葉原は賑やかでしたからね。
そんなことを思い出しながら作りました。
作業も、サイズの合わない丸穴の加工、四角穴など大変ですが、過去を
回想しながら作っていると楽しいもので、マル2日でほぼ穴あけは終わりました。
それよりも、デザインで作業が進まなかったほうが大きかったですね。
工業デザインは適当だとつまらないアンプになってしまいます。
かといって、誰しもが作るアンプのデザインは飽きたし、煮詰まってしまいました。
基本的なことは守る必要もありますし、そういう制約の中でいかに個性を出すか、
悩みに悩んでデザインは10日ほどかかってしまいました。
それで、つい先日、完成したのが写真のアンプです。
ボンネットの塗料もこだわりました。
素人が塗装するので、失敗もしましたが、なんとか2個目で私が我慢できる塗装が行え
たので、これで勘弁してもらいました。
正味、注文を受けてから数ヶ月。。。
無事に納品できてよかったです。
出来がよかったので、自分用に一台作ろうかと思ったのですが、シャーシー加工のことを
思い出すと熱意もテンションも下げ下げ↓です。
なので、よーし、作るぞーと上げ上げ↑な気分になってきたら一気に自分用を作ります。
シャーシー加工大変ですね。
漫画でも、スケッチでも、カンタンな図面を書いて、渡したほうが業者さんがしてくれるので
助かります。 シャーシー加工してくれる業者さんの、アリガタミガ分かったきがしました(笑)
この所有者になる方は、大のヨーロッパサウンドが大好きな方です。
前回の2A3のアンプを納品した方と同じ四国地方の方です。
最近は、四国の方からの注文が多いです。
すばらしい感性の持ち主で、いい加減な音つくりだと納得してくれません。
ですから、量産品では太刀打ちできません。
こういう情熱のなかから生まれたものでなくてはだめなのです。
さて、シーメンスのDaのアンプを頼まれているので、次の製作はそれですかね。