ダイナコ PAS3 の巻 ②

さて、ダイナコのPAS3の状態を確認すべく着手いたしました。

まずは、ちゃんと音が出るのかを確認してみました。

テスト機器のソニー製のCDプレーヤー、パワーアンプは整備して

あるマッキントッシュのMC240、スピーカーはまずはJBLの4312

のミニモニターにしましょう。SPがぶっ壊れたら嫌ですもん(笑)

で、音を聴いてみました。ボリューム類にガリは無いようです。

しかし、なんだかやけに低域がボワン、ボワンしていますね。

高域、中域、低域がバラバラな感じです。

あれ?ダイナコのPASというアンプの特徴でしょうかね?

違いますよね。

私も30年前に第一家電で買った時の音を覚えていますが、

こんなにボワン、ボワンしていなかったように思いますし、

それでちょっと腕組。いや、やっぱりおかしいな。

電源を一度切り内部を点検します。

どうも各箇所を拝見すると既にメンテナンスをされている

ようですね。ところどころ手が入っています。

綺麗に仕上げてあるので、そこそこ知識のある方のメンテ

と見受けられます。

いつメンテしたものかわからないので、一応私も確認しましょう。

まずは、回路を見ながら各部の電圧確認。

phono基板、フラット基板の球の電圧がオカシイ。

真空管を新品に変えてみました。

電圧がほぼ揃いました。

真空管が悪かったんですね。

ただ、このボワン、ボワンという音は真空管だけじゃ片付け

られない問題です。

トーンコントロール部もコスモス製の良品に上手に変えられていて

問題はなさそうです。

真空管も変え、電圧配分もすべてほぼOKになったので再度

聴いてみました。

ですよね。やはり低域も高域もボワンとし過ぎて聞くに堪えられない。

こりゃ、長期戦のメンテナンスになりそうな予感がします。

ここは、整備がきちんとされているダイナコのプリアンプの

音が聴きたい。そう思うのでした。

入力電圧はAC117Vでテストしました。

各部電圧を見る限り、このPASは120Vで使用するのが正規のようです。

私のところは東京電力です。

電力会社もLRによりタップ変更をまめに行っているので

大幅な変動はありませんが、それでも下は97V、上は104V

など多少の変動は見受けられます。

住宅街で工場は少ないので休日は住宅負荷が大半。

ただ、最近はパソコンなどの需要が増えているので高調波成分

にはヤキモキはしますが。

117Vのステップアップトランスを使用し確認してますが、

まぁ~許せる範囲です。

100Vだと辛いかな。

マランツ#7の場合は100Vでも大丈夫ですが、ダイナコは少し

厳しいかも知れませんね。

この機種だけかも知れませんが、、、。

さて、新品に変えた真空管はアメリカの軍用管12AX7の高信頼管

です。やはりミリタリーの物は安心です。

あと、このプリアンプ、セレンのところに最新のダイオードが抱き合わせされています。

ダイオードを外して電圧確認してみました。

なるほど、規定値の半分の出力です。それで追加したのですね。

セレンは入手難ですから、電源はちょっと考えないとなりませんね。

そして、古いパーツ類、とくにビンテージコンデンサーなどは全て

耐圧試験してみようかと思っています。ここは時間がかかりそうです。

ロータリー系の各部接点の接触不良でも高域が減衰されます。

このような音のアンプになります。それも私は経験しています。

一度、すべてバラバラにして作り直すか(汗)

こりゃ、相当大変な事業になりそうです(苦笑)

メンテナンスした前任者は、この音で許されたのでしょうか?

いゃ~、私は納得できませんね。

ここ何十年とマランツの#7ばかりを専門にメンテしてきていて、

ダイナコはある意味初めてです。

なので、面白みもあるのですが、良い機会ですのでトライして

みたいと思っています。

マランツ#7の音に追いつけ、追い越せ!

とりあえず、今日はここまで。

あー疲れた(笑)DSCF5202 DSCF5203 DSCF5204 DSCF5207 DSCF5211 DSCF5214 DSCF5216