真空管アンプの部品のお話 ( 抵抗 )

抵抗で人気のあるメーカーはアメリカはアーレンブラッドレー、ヨーロッパでは
ローデンシュタインでしょうか。日本だと、理研がよさそうです。
アーレンブラッドレー(A&B)は、マランツやマッキントッシュの往年の名機と
いうアンプに使われてきた実績から評価が高いのです。
ただ、多くのアンプ修理をしてみてわかることは、経年劣化にとても弱く、
抵抗値の誤差が物凄く大きくなってしまう弱点があります。
たくさんの#7を見てきましたが当初の性能を維持している物はひとつも
なかったと思います。10年くらい使って、またメンテナンスしてという
ふうに維持できれば音は良いので使ってみる価値はあると思います。

ローデンシュタインは、どうでしょう。
90年代に輸入していた商社がありましたが、いまはどこも入手が困難なので
しょう。まったく見ることが出来なくなってしまっています。
在庫しているアンプメーカーもあるようですが、さすがに自社アンプに使う
くらいのストックだと思われるために譲ってはくれません。
この抵抗はテレフンケンやノイマンの昔のアンプ類に使われていました。
現在、それらアンプをメンテナンスすることがあって確認してもかなり正確な
数値をたたきだします。さすがドイツ製の抵抗と唸ってしまいます。

イギリスのビンテージ抵抗も若干手持ちがありますが、一個がかなり大きいです。
アンプをコンパクトに作るには使いずらいと思います。
信頼性については、長時間使用したことが無いのでわかりません。
高価な真空管アンプには、ちょっと怖くて使えませんwww

日本の理研の抵抗はとても良いと思います。
ローデンが手に入らないので、最近は要のところに、この理研の抵抗を
使用します。バブル期にRMGという金メッキの腕をした抵抗群をリリース
していましたが、いまでは殆ど入手は出来ません。
どこかでストックしている会社はあるかもしれませんが、オークションでも
なかなか出てきません。なので、RMAシリーズも探して使ったりしています。

あと、もう手に入るかはわかりませんがアメリカのスペースシャトルなどに
使用する温度変化に物凄く強いメタルフィルム抵抗というものがあります。
1/2Wや1W、2Wとありますが、高低温度の中でも誤差があまり生まれない
優秀な抵抗です。90年代にアメリカのマーケットでちょいちょい見かけましたが、
最近はみかけません。音もノイズが少なく優秀でした。

最近は、殆どが中国製になってきていますよね。
入手しやすいので、上記メーカー等の数値のない抵抗はうまく使い分けて
使用すると良いでしょう。

昔はセメント抵抗やらホーロー抵抗、メタルクラッド等抵抗値も豊富でした。
寂しい限りです。

 

 

 

しかし、真空管アンプは世界中でブームになり、ファンも定着してきました。
そう言ったファンがいる限り部品は作り続けられるとは思います。
もちろん数値など限られたものになるのでしょうが・・。

写真は160Pというスプラグの人気カップリングコンデンサーです。
なかなか良いコンデンサーですが、最近は入手も難しく高額になりつつ
あるので少し確保しました。
マッキントッシュのC11、C22などにも使われ相性が良いものです。

次回はコンデンサーのお話でもしてみましょう。